【採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例8選】今求職者・就活生が求めるオフィスとは?
優秀な人材の確保がますます難しくなっている今、就活生や求職者に選ばれる会社になるためには、”採用ブランディング”が重要な鍵を握っています。
採用サイトやSNS、会社説明会など、多様な手法でブランディングが進められる中、特に影響力が大きいとされているのが「オフィス環境」です。
本記事では、採用力を高めるオフィスレイアウトや移転計画、そして実際のオフィス事例8選を通して、今求職者・就活生に求められるオフィスデザインのポイントを解説します。
- はじめに:なぜ「採用」と「オフィス」が今、直結しているのか
- 求職者・就活生が“このオフィスで働きたい”と思う理由
- 採用力を下げてしまうオフィスの“NG例”とチェックリスト
- 採用力を高めるオフィスデザインの5つのポイント
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例①:就活生の心を魅了する仕掛けが満載
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例②:自由な社風を彷彿とさせる空間
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例③:第一印象をワンランクアップさせるエントランス
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例④:求職者・就活生の心をくすぐるレクリエーションルーム
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑤:求職者・就活生のチェックポイント「トイレ」を全面リニューアル
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑥:採用力アップに必須、写真映えするインパクト重視の空間
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑦:風通しの良い社風を思わせる安らぎ空間
- 採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑧:働きやすさを感じさせるオープンなレイアウト
- 採用力を高めるオフィスデザインの進め方と費用目安
- まとめ : 採用力を高めるオフィスづくりを始めるために
はじめに:なぜ「採用」と「オフィス」が今、直結しているのか

いま、採用市場では“働く場所”そのものが企業選びの大事な基準の一つになっています。
仕事内容や給与だけでなく、「どんな空間で働けるのか」「その場所に自分がなじむか」といった感覚的な要素が求職者の意思決定を左右するようになっています。
カーネギーメロン大学の2025年のレビュー研究では、物理的なオフィス空間のデザインや雰囲気が「組織の評判」や「人材の定着・獲得」に大きな影響を与えると報告されています。
つまり、オフィスは単なる業務スペースではなく、企業ブランディングの一部として機能しているのです。
面接や会社説明会で訪れた際に、明るく開放的なレイアウトや温かみのある空間が印象に残れば、入社意欲が高まる。
逆に、閉塞感のあるオフィスやコミュニケーションが取りにくい環境では、どんなに仕事内容が魅力的でも志望度が下がってしまう
――そんな傾向が明確に見られます。
求職者・就活生が“このオフィスで働きたい”と思う理由

実際に、求職者や就活生が入社の意思を固める要因として、下記のようなことが挙げられます。
ハイブリッド/出社のバランス
ザイマックス総研の研究調査によると、理想の働き方として「ハイブリッドワーク」を希望する就活生は67%(※1)出社日を柔軟に選べる企業への関心が高く、テレワークにも対応したオフィス環境が求められています。
オフィスに求める設備・環境
快適なカフェスペースやリフレッシュエリアなど、“働く+くつろぐ”が両立できる空間が評価されています。
「ツナグ働き方研究所」によると、求職者が企業選びにおけるオフィス環境で重要視していることの第3位に「リフレッシュスペース」が挙げられていました。(※2)
求職者が求めるオフィス環境の条件は、ステータスよりも“居心地の良さ”へと変化しています。
企業文化を感じる空間デザイン
就活生の約9割が魅力的なオフィスは「志望度に影響する」と考えている(※3)中、
それを判断するタイミングは、面接の時でしょう。
木目調やガラスパーテーションなどを活かした開放感のある空間は、信頼感と透明性を与えます。
また、おしゃれなインテリアや遊び心のある仕掛けは、自由な企業風土やワクワク感を求職者にもたらし採用ブランディングの鍵となります。
(※1)2024年3月14日公開「首都圏就活生の企業選びに関する意識調査2024」
https://soken.xymax.co.jp/2024/03/14/2403-job_hunting_students_survey_2024/?utm_source=chatgpt.com
(※2)2025年03月31日公開「「オフィス環境が与える就業意向影響の調査」
https://tghd.co.jp/news/tg/newsrelease/entry-377.html
(※3)2023年3月1日公開「「就活生の企業選びの基準と採用に向けた企業側の対策」に関する調査結果(株式会社アーバンプラン)」
https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2171
採用力を下げてしまうオフィスの“NG例”とチェックリスト

反対に、入社志望度を下げてしまうオフィスの特徴をご紹介します。
古さを感じる空間
昭和感のある事務的な内装は、どんなに会社や仕事内容が魅力的でも求職者の印象を下げてしまいます。
特に10年以上手を加えていない自社ビルや賃貸オフィスは、早めの見直しをおすすめします。
清潔感の欠如
インテリアがどんなにおしゃれでも、汚れや古さが目立つと逆効果です。
特にトイレや給湯室などの水まわりは要注意。定期的なリフォームやクリーニングが不可欠です。
整理整頓ができていない
意外と見られているのが「デスクや書類棚の散らかり具合」。
整っていない環境は、“忙しすぎて余裕がない会社”という印象を与えてしまうかもしれません。
整理整頓された空間で、ポジティブな職場イメージを与えましょう。
採用力を高めるオフィスデザインの5つのポイント

ここからは、“ここに入社したい!”“このオフィスで仕事をしてみたい”と求職者や就活生を魅了できるオフィスデザインのポイントをご紹介します。
企業アイデンティティを反映する空間
例えば、内装に企業のブランドカラーや製品キャラクターなどが使われていると、商品やサービスへの愛を感じますし、オフィス内にキッチンがあったり遊び場があるようなレイアウトだと、アットホーム感が伝わってきます。
このような“企業らしさ”を体感できるオフィスは、求職者や就活生に安心感と信頼感を与えます。
多様なワークスタイル設備・レイアウト
ABWやフリーアドレスなど、柔軟に働けるレイアウトは新世代に響きます。
また、オープンであるだけでなく個人スペースを確保することも大切で、ワークブースを取り入れるなど、集中と交流のバランスが良いオフィス環境が求められています。
コミュニケーション促進の動線・ゾーニング
自然に人が集まる設計は、チームワークや文化醸成に寄与します。
具体的には、ジグザグ配置や回遊型動線などがあり、偶発的なコミュニケーション生むことができます。
また、カフェスペースやフリースペースを設けることで、部署やチームを超えた交流の場を作ることができます。
サステナビリティ・Well-beingへの配慮
約7割の学生が「企業がSDGsに取り組んでいることを知ると、志望度が上がる」と回答するほど(※)最近は、エコロジーやSDGsへの意識が高まっています。
オフィスにおいても、グリーンや自然光を取り入れられる場所を移転先に選んだり、廃材を活用した内装にしたりすると好感度があがります。また、サーカディアンリズムに合わせて調光できる照明や、人間工学に基づいてデザインされた疲れにくいワーキングチェアなども良いでしょう。
(※)2023年5月15日~2023年5月30日株式会社学情が行ったインターネットアンケート調査https://service.jinjibu.jp/news/detl/22497/
オフィスを“採用マーケティング資産”として活用
採用サイトやSNSなどでオフィスの様子を発信したり、求職者や就活生向けの会社説明会やワークショップを開催することを前提にオフィスレイアウトを考えることが必要です。
具体的には、写真映えを意識した内装にしたり、イベントができる照明・音響・スクリーンなどを備えるといった方法があります。
オフィス空間を通して企業の魅力・価値観を発信し、採用活動を強化するという戦略的なアプローチです。
下記の記事も合わせてご覧ください。
「社員が自然と出社したくなるオフィスとは?4つのポイントを徹底解説!」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例①:就活生の心を魅了する仕掛けが満載

こちらは、“社員が喜ぶオフィスを作りたい”というご要望の元、デザインした空間です。
ガラスパーテーションで仕切られたエントランスからは、フリースペースや開放的な業務スペースが一気に見渡せるので、来社する人に安心感を与えます。
オフィス内にあるリフレッシュスペースは、気兼ねなくリラックスできるよう、業務スペースから見えない場所に位置しており、キッチンや本格的なマッサージチェアが置かれています。
※ワクワクする仕掛けが満載なオフィスの様子は、こちらの事例記事でご覧いただけます。
「社員の喜ぶ工夫が満載!スケルトンの天井が開放的なオフィスデザイン事例」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例②:自由な社風を彷彿とさせる空間

こちらは、“テレワークを前提とした設備を整えると共に、採用力がアップするようなオフィスを作りたい”というご要望を元にデザインした空間です。
モノトーンで統一された内装はシンプルでスタイリッシュ、エントランスは手作業で施された左官壁になっており、来社する人にインパクトを与えます。
普段はテレワークですが、フリーアドレスの業務スペースもあるので、好きなときに出社できる他、完全個室のワークブースを備えているので、TV会議のときも安心、求職者は自由な勤務環境をイメージしやすいでしょう。
※オフィスっぽくない、スタイリッシュなオフィスの様子はこちらの事例記事でご覧いただけます。
「テレワーク設備も充実!モノトーンでシックな空間のオフィスデザイン事例」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例③:第一印象をワンランクアップさせるエントランス

こちらは、“採用力を強化されたい”と、元々所有されていた自社ビルとは別の場所にオフィスを設けられた事例です。
最も特徴的なのはエントランス、ウォールナット色の木材を格子状に並べたダイナミック装飾が
間接照明によって照らされ、和モダンの品格ある雰囲気を作り出しています。
季節ごとに変わるデコレーションが、来社する求職者やお客様を毎回楽しませています。
※内装の詳細は、こちらの事例記事で詳しく解説しています。
「【際立つ和モダンなエントランス】信頼感が湧く落ち着いたオフィスデザイン」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例④:求職者・就活生の心をくすぐるレクリエーションルーム

こちらは、執務室だった部屋を全面リフォームして、レクリエーションルームに作り変えた事例です。
普段はお客様先に常駐するリモートワークですが、このようなハブスポットを作り、ガレージ風の内装に、バーカウンターやダーツ、ピンポン、卓球などを置いて、社員同士が楽しみながらコミュニケーションを高められる場所にしました。
このような遊び場があるのは、求職者にとって志望度が高まるポイントの一つ、ここでは全社会議や社員総会なども開かれるそうです。
※魅力的なレクリエーションスペースの様子は、こちらの事例記事で詳しく解説しています。
「社員が思わず立ち寄りたくなる、遊び心満載のオフィスリフォーム事例」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑤:求職者・就活生のチェックポイント「トイレ」を全面リニューアル

こちらは、自社ビルのトイレをリニューアルした事例です。
お客様が通る場所にあるトイレということで、上質で清潔感のある空間に作り変えました。
男性向けのトイレは、石目調クロスなどを取り入れたグレー系のシックな内装でまとめ、
女性向けのトイレは、木目調のクロスなどを取り入れたブラウン系の明るい内装でまとめています。
※トイレ前の共有スペースや、トイレに備えた設備などについては、こちらの事例記事で詳しく解説しています。
「ABW・素材感・造作家具etc…こだわりの詰まったオフィスリフォーム事例(後編)」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑥:採用力アップに必須、写真映えするインパクト重視の空間

こちらは、オフィス内のエントランス・リフレッシュエリア・会議室をリフォームした事例です。
ガラス張りの床下にフェイクのモスや観葉植物を仕込んだエントランスはインパクト大、
リフレッシュスペースも、パープルのファミレスブースが目を惹くおしゃれな内装です。
壁紙も、ヘリボーン柄やパームリーフ柄のものを採用するなど、来る人をワクワクさせる仕掛けを散りばめています。
※オフィスの作り方や工事の様子は、こちらの事例記事で詳しく解説しています。
「おしゃれで写真映え抜群!紫と天然カラーに彩られたオフィスデザイン事例」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑦:風通しの良い社風を思わせる安らぎ空間

こちらは、オフィス内のリフレッシュスペースをリフォームした事例です。
“社内のコミュニケーションが活発になるような場所にしたい”という要望を基に作り変えた空間は、木目のクロスやグリーンを組み合わせたナチュラルで温かみのある雰囲気になりました。
窓を遮らないレイアウトで明るさを意識した一方、光の量を調整できるようにブラインドを設置して居心地にもこだわりました。
※下記の事例記事では、ご提案時のパースもご覧いただけます。
「広い窓を活かした、カフェ風デザインのリフレッシュ兼ミーティングスペース事例」
採用力強化のヒントになるオフィスデザイン事例⑧:働きやすさを感じさせるオープンなレイアウト

こちらは、メインオフィスの上階にオフィスフロアを増築した事例です。
2つのスペースが、スライディングウォールで仕切られているので、必要に応じて
広いワンフロアとして使うことも可能、キャスターのついたデスク&チェアが採用されているので
レイアウトも自由に変えることができます。
日常の業務からセミナーや休憩スペースまで、多用途に活用できる点が、求職者にも働きやすさを感じさせる要素となっています。
※オフィスの様子については、こちらの事例記事で詳しくご紹介しています。
「レイアウト変更が自由自在 セミナールームとしても使えるオフィスデザイン事例」
採用力を高めるオフィスデザインの進め方と費用目安

ここからは、人材採用に繋がるオフィスデザインの進め方と費用の目安をご紹介します。
予算目安
オフィス改装の費用は目的や規模により異なりますが、30坪で約900万円、60坪で約1,900万円が目安となります。
部分的なリフォームであれば、1坪あたり20〜30万円程度で検討することも可能です。
スケジュール
一般的な流れは「現状分析 → コンセプト設計 → レイアウト/内装デザイン → 工事 → 引渡し」となります。中小規模オフィスの場合は、3〜6か月程度のプロジェクトとなります。採用計画から逆算して始めるようにすることが大切です。
進め方
まず採用方針やブランディングの方向性を整理し、「どんな企業に見られたいか」を明確にすることが重要です。
その上で、ワークスタイルや動線に合わせたレイアウト設計や内装デザインを行っていきましょう。
求職者や就活生への印象だけでなく、社員の働きやすさも両立させることが大切です。
※オフィスづくりについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
「6つのケースで解説!オフィス移転・リフォームにかかる費用とは?」
「今必要とされるオフィスリノベーションとは?~賢い進め方を解説~」
まとめ : 採用力を高めるオフィスづくりを始めるために
採用競争が激化する中で、オフィスは単なる「働く場所」ではなく、企業の価値観やカルチャーを伝える“採用ブランディングの場”へと変化しています。
本記事で紹介したように、求職者はオフィスを通じて「この会社で働く自分」を想像し、
そのリアリティが志望度を左右します。
採用力を高めるためには、単におしゃれなデザインにするのではなく、
・企業の顔となる空間であること
・自由と交流が両方叶う場所であること
・今の時代にマッチした内装であること
など、戦略的なオフィスデザインが不可欠です。
ワークでは、企業の採用課題やブランド戦略を踏まえたオフィスづくりを支援しています。
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