コストをかけずに自社で完結!オフィスレイアウトを変更する方法
コロナが落ち着き、多くの人が通常出勤に戻りつつある今、オフィスレイアウトを変更したいと考える企業が増えています。
感染予防のために、即席で立てたパーティションや座席の間引きなども少しづつ不要になってきており、アフターコロナのワークスタイルに合わせた新しいオフィス空間が求められています。
そこで今回は、大掛かりな工事を行わず自社でできるオフィスレイアウトの変更方法をご紹介します。
“オフィスの中を見直したいけどコストはなるべくかけたくない“とお考えの方はぜひご参考にご覧ください。
自社でできるオフィスレイアウト変更とは?
オフィスレイアウト変更には大きく分けて2種類あります。
一つは、エントランスや会議室などの配置を変えたり新しいスペースを作ったり減らしたりといった、“ゾーニング”を組み変えるというもので、もう一つは、ゾーニングはそのままにスペース内の什器の配置のみを変えるというものです。
前者は造作工事や設備工事などが必要となるため、実行する場合は、オフィスデザイン会社をはじめ、専門業者に依頼することが不可欠となります。。
後者は自社内で完結することが可能です。
特に執務室は、オフィスの中で最も広いスペースなので、レイアウトを変更することで空間の印象を手軽に大きく変えることができます。
社員にとっても、業務しやすくなったり、デスクから見える景色が変わって気持ちがリフレッシュできたりと様々なメリットがあります。
まず押さえておきたいオフィスレイアウトの変更手順
自社でオフィスレイアウトを変更する際には、担当者や担当部署だけで進めず、できる限り多くの社員から情報収集をしながら、基本的な手順に沿って進めことが大切です。
独壇場で進めてしまうと、逆に使いにくいレイアウトになってしまう可能性がありますので注意しましょう。
オフィスレイアウトの基本的な変更手順は下記です。
1)オフィスのテーマ&コンセプト設計
2)オフィスに必要なスペースの決定
3)レイアウト案の作成
4)効果検証・分析
5)レイアウト調整
各ステップの詳細は、下記の記事で詳しく解説しています。
記事は、オフィス全体のレイアウトを変更するケースを想定してまとめられていますが、特定のスペースのレイアウトを変更する場合も手順は同じですので、ぜひご参考にご覧ください。
オフィスレイアウト変更方式5選
執務室のレイアウト変更変更において、最も大切なのは座席の配置です。
座席の配置方式には、様々な種類があります。
●対抗式レイアウト(島型):部署ごとにデスクを向かい合わせに配置する方法
●同向き式レイアウト:学校の教室のように全てのデスクが同じ方向を向かせる方法
●背面式レイアウト:お互いのデスクを背中合わせに配置する方法
●左右動向式レイアウト:1列ごとにデスクの向きを反対にし、列の間にパーテーションを設置する方法
●リンク式レイアウト:120度タイプのデスクを多角方面に配置する方法
各方式を図でご覧になりたい方は、下記の記事をご確認ください。
「オフィスレイアウトパターン6選!デスク配置見直しで業務効率アップ!」
座席レイアウトは、会社の業種や業務内容、組織体制などを元に検討する必要があります。
自社にとってベストなレイアウトを見つけるためには、手順の1つ目「オフィスのテーマ&コンセプト設計」の部分を丁寧に進めることが大切です。
オフィスのレイアウト変更に役立つツール“パーティション”
大掛かりな工事をせずにゾーン分けしたり、ミーティングスペースを作ったりする際に便利なのがパーティションです。
TV会議用の小部屋や集中業務のためのブースといった、今のワークスタイルに合わせたオフィス作りにも役立つツールと言えます。
コロナをきっかけに、多くのオフィス家具メーカーがパーティションのライナップを増やしました。
金額・大きさ・素材など様々な仕様のものが作られていますが、今人気なのは可動式のものです。
可動式のパーティションは、軽量だったりキャスターがついていたりして誰でも簡単に動かせると共に、使わない時は好きな場所に収納できるので、状況に合わせてオフィスの使い方を変えられるようにしたいと考える企業にマッチしているようです。
パーティションの種類や選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「【オフィス内装】手軽に個室や集中環境を構築できる“パーティション・間仕切り”」
オフィスレイアウトの変更時がチャンス!フリースペースを作る
テレワークをきっかけに、社内コミュニケーションの重要性を再認識した企業も多いのではないでしょうか?
社員の帰属意識を今一度深め、生産性を高めていくためにも、オフィスにフリースペースを作るのはおすすめです。
これまでオフィス内にフリ-スペースを作ったことがないという企業は、レイアウト変更時が良い機会となります。
フリースペースといっても、新しい部屋を作ったり内装をデザインしたりといった大掛かりな工事は必要ありません。
執務室内に、ソファ・ラグ・ローテーブルなどを置いて自由に寛げるスペースを作れば、コストをかけずに手軽に完成します。
フリースペースを作る際のポイントは、下記にまとめていますのでご参考にご覧ください。
「社員が喜ぶ♪オフィスに居心地のよいフリースペースを作る3つのポイント」
オフィスレイアウト変更の事例
ここからは、お客様などからお聞きしたお話をもとに、オフィスレイアウト変更におけるよくあるケースを3つご紹介します。
●ケース1:組織変更に伴う業務スペースのレイアウト変更
<きっかけ>
会社の組織改変があり、部署が増えたり業務の流れが変わったりして、現状のレイアウトでは仕事がしづらくなったこと
<変更した内容>
・業務スペースのデスク&チェアのレイアウトを変更
・デスクの配置方式を、島型からリンク式レイアウトに変更
・デスクとチェアを新調
<実際の流れ>
総務部が中心となって進め、自社ですべて完結した
①まずは、業務の流れをもとに導線を設計し、各部署の配置を決定
②デスクの配置方式については、社内アンケートを行った上で、島型からリンク式レイアウトに決定
③新しいレイアウト図や配置変更作業の方法などを資料にまとめ、事前に社員へ共有
④これまで使っていたデスクとチェアを引き取ってもらうためにリサイクル業者を手配
⑤新しいワーキングデスクとワーキングチェアを購入・組み立て
⑥オフィス家具の組み立てや配置変更作業については、業務時間後に社員全員で協力して実施
●ケース2:TV会議が増えたことによる会議室のレイアウト変更
<きっかけ>
コロナをきっかけにTV会議が増え、大会議室よりも少人数用の防音ブースが複数必要になったこと
<変更した内容>
・以前までセミナーなどを行っていた広い会議室のスペースを分割
・パーティションやワークブースなどを組み合わせて、1人用、2人用、4人用のミーティングスペースを複数設置
<実際の流れ>
営業企画室が中心となって自社ですべて実施
②まずは、大会議室の図面をもとに、個別ミーティングスペースのレイアウト図を作成
③防音効果のあるパーティションやワークブースをネットで購入
④これまで使っていた大テーブルを廃棄
⑤購入したパーティション・ワークブースを組み立てて設置
⑥作業については、営業企画室を中心に社員数人で実施
●ケース3:働き方改革に伴うオフィス全体のレイアウト変更
<きっかけ>
コロナをきっかけにテレワークを導入、これまでのように使わなくなったオフィスは、社員が気軽に立ち寄れるようなカフェのような場所として活用したいと考えた
<変更した内容>
・これまでの固定席からフリーアドレスに変更
・画一的なデスク&チェアをなくし、オープン席、カウンター席、ソファ席、ワークブースなど、様々な種類の業務スペースを設置
・内装も、カフェ風のおしゃれな雰囲気に変更
<実際の流れ>
・人事部が専門業者に協力を仰ぎながら実施
・まずは、専門業者に今のオフィスを見てもらった上で、会社として希望するレイアウトや内装イメージなどを専門業者に共有
・専門業者からレイアウトや内装イメージ、スケジュールなどを提案してもらう
・提案内容をもとに、変更や追加希望などを話し合い最終決定
・週末に内装工事やレイアウト変更、家具の入れ替えなどを実施(専門業者がマネジメント)
オフィスレイアウト変更にかかる費用
内装などはそのままに、今オフィスにある設備だけを使って自社でレイアウト変更をする場合、基本的にコストはかかりません。
一方、レイアウト変更だけでなく、古くなった壁紙や床を貼り替えたり、オフィス家具を新調したり、新しくパーティションを立てたりと、“リフォーム”を加える場合はコストが発生します。
【オフィスレイアウト変更に伴うコスト目安】
●内装工事費用(壁紙の張替え、床の張替えなど)
<例>
80坪(約264㎡)の壁を2,400円/㎡ですべて貼り替えた場合
コスト:633,000円
●オフィス家具新調費用(デスク、ワーキングチェア、収納棚、ロッカーなど)
<例>
100,000円/台のデスクと+50,000円/脚のワーキングチェアを30名分入れ替えた場合
コスト:4,500,000円
●クリーニング費用(カーペット、ワーキングチェア、空調など)
<例>
ワーキングチェアのクリーニングを3,000円/脚で50脚依頼した場合
コスト:150,000円
●レイアウト設計費、工事管理費など(デザイン業者に委託した場合)
<例>
80坪のオフィスのレイアウトを15万円/坪で設計した場合
コスト:1,500,000円~
※上記は目安となります。実際には依頼先や製品・サービスなどによって金額は変わります。
レイアウト変更だけでも、オフィスデザイン会社に委託できるのか
これまでご紹介したきたように、簡単なオフィスのレイアウト変更であれば自社内で完結させることが可能です。
しかし中には、“社内で進める余裕がない”“自社内で進めて失敗したくない”という方もいらっしゃると思います。
そのような場合は、オフィスデザイン会社にまるごとお任せすることも可能です。
オフィスデザイン会社というと、オフィス移転や全体のリノベーションでなければ請け負ってもらえないのでは?と思われる方も多いと思うのですが、実際には、部分的なリフォームやレイアウト変更のみの依頼も可能なケースが多いです。
しかし、実際の業者を選ぶ際には下記のことに注意しましょう。
●オフィス専門のデザイン会社を選ぶ
ホームとオフィスでは、必要な知識やスキルなどが異なります。
オフィスのレイアウト変更を依頼する場合には、ホームではなくオフィスが専門、あるいはオフィスが得意な業者に依頼するのが良いでしょう。
●こちらの希望・要望に合った提案をしてくれる会社を選ぶ
レイアウト変更は、より良いオフィス環境を整えるために行うものです。
こちらの意図に沿わないデザインや一方的な提案を押し付ける会社でなく、レイアウト変更の目的や今のオフィスの課題、こちらの希望といったものをよく聞いて、それに合わせた提案をしてくれる会社を選ぶようにしましょう。
●事前にお見積書を出してくれる会社を選ぶ
レイアウト変更リフォームを専門業者に依頼する場合、様々な費用がかかってきます。
その際、どのような内容にどのぐらいの金額がかかるのかといったことを、事前にお見積り書として提示してくれる会社を選びましょう。
中には、プロジェクトを進めていく中で、または工事の途中で、追加費用が必要になってくるケースもありますが、その際も都度かかる費用を丁寧に説明してくれるかどうかというのが信用できる会社の条件の一つと言えます。
下記の記事では、オフィスデザイン会社の種類た選び方を詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください!
「オフィスデザイン会社の特長と選び方」
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