小規模オフィス事例5選|レイアウトパターンとゾーニングについて解説
オフィスレイアウト、特にオフィス空間全体をエリア分けするゾーニングの工程は、簡単に変更や修正ができないため、慎重に検討する必要があります。
特に小規模オフィスの場合は、限られたスペースをいかに効率的に活用するかを、さまざまなパターンで検討することが重要です。
今回は、小規模オフィスにおけるレイアウト設計のポイントと、実際の事例を5つまとめてご紹介します。
ぜひ参考にご覧ください。
【小規模オフィスのレイアウト設計】流れと押さえるべきポイント
オフィスレイアウトは、下記の流れで設計していきます。
①必要なスペースの洗い出し
業務スペース、会議室、リフレッシュスペース、応接室、社長室、給湯室、トイレなど、業務内容や組織体制に合わせて必要なスペースをピックアップします。
さらに、必要な座席数や収納容量、会議室の数や広さなど、細かい条件もすべて明確にしておきます。
小規模オフィスの場合は、広さに制限があるため優先順位を決めることが大切です。
②ゾーニング
次に、それらのスペースをどこに配置するかを検討します。
水道管や空調、窓などの既存設備、さらに動線を考慮しながら、いくつかのゾーニングパターンを作成します。
小規模オフィスでは、間仕切りを最小限にとどめ、収納棚やオフィスグリーンなどで緩やかにエリア分けするのがおすすめです。
④デスク配置形式の検討
業務スペースのデスク配置は、座席数やワークスタイル(ABW、フリーアドレス、固定席など)によって異なります。
小規模オフィスでは、ABWのように多様な座席を設けることは難しいケースが多いです。
スペース効率を最適化する小規模オフィスのゾーニング術
ここからは、オフィスレイアウト設計におけるゾーニング工程を詳しく解説していきます。
ゾーニングには2つの段階があります。
一つは空間のエリア分け、もう一つは動線の検討です。
●空間のエリア分け
空間を分ける際は、まず「従業員専用ゾーン」「従業員・来客兼用ゾーン」「来客専用ゾーン」に分けて考えるのが効率的です。
小規模オフィスでは、どのエリアにどの程度の広さを確保できるかを確認した上で、デスクやチェア、収納棚といった家具を選ぶことが重要です。
家具のサイズが大き過ぎると通路が狭くなったり、圧迫感のある空間になってしまうので注意が必要です。
また、テレワーク中心で来客が少ない業種では、エントランスを設けないという選択肢もあります。その分、内部スペースを広く使えます。
●動線の検討
動線は「社員導線」と「来客導線」に分けて考えます。
社員導線は業務内容を基に設計します。
例えば士業の場合、エントランスから自席・書庫、または自席・会議室までスムーズに移動できる流れが理想です。
来客導線については、できる限りシンプルに、エントランスから最短距離で目的地に到達できる設計が望ましいです。
ただし小規模オフィスでは、すべてを理想通りに実現するのは難しいため、まずはエントランスからのメイン導線を確保し、その上で他のエリアを配置すると良いでしょう。
【レイアウト変更のコツ】自社でできる工夫と専門業者に頼むべき場面
増員や事業内容の変更などでレイアウト変更が必要になった場合、専門業者に依頼するパターンと自社で行うパターンがあります。
●専門業者に依頼するパターン
オフィスの間仕切りを変更・追加・撤去する場合には専門業者への依頼が必要です。
また、大掛かりな変更がなくても、内装工事や電気・空調工事が必要な場合には、自社のみで対応することはできません。
●自社で行うパターン
家具の配置変更程度であれば、自社で完結できます。
小規模オフィスでは、そもそも間仕切りが少ないことが多いため、デスク配置の変更やパーテーション設置といった軽微な変更であれば社内で対応可能です。
小規模オフィスに最適なデスク配置パターンとは?
ここからは、執務スペースにおける代表的なデスク配置形式をご紹介します。
⦁ 向かい合うように配置する“対向式”
⦁ 同じ方向を向かせて配置する“同向式”
⦁ 背中合わせに配置する“背面式”
⦁ 列ごとに向きを反対にし、間にパーテーションを設ける“左右同向式”
⦁ 4台のデスクを卍型に並べる“卍式”
⦁ 120度デスクを背中合わせにする“ベンゼン式・背面式”
⦁ 120度デスクを3台向かい合わせに配置する“リンク式”
⦁ 自由に席を移動できる“フリーアドレス式”
⦁ 業務内容に応じて座席を選べる“ABW式”
ワークスタイルや社員数にもよりますが、小規模オフィスには対向式や背面式、フリーアドレス式がおすすめです。
一方で、卍式やベンゼン式、リンク式はスペース効率が下がる傾向があります。
小規模オフィスのレイアウト事例①:16坪でも快適!コンパクトオフィスの工夫
こちらは16坪の空間に、エントランス、会議スペース、執務スペース、テレワークスペース、休憩スペースをレイアウトした事例です。
限られたスペースでも開放感を演出するため、天井までの間仕切りはテレワークスペースのみとし、その他のゾーンはルーバー型パーテーションで緩やかに分けています。
※詳しくは下記の記事をご覧ください。
「天然木材と落ち着いたグリーンでまとめた、和モダンなオフィスデザイン事例」
小規模オフィスのレイアウト事例②:元コンビニを活用!導線最適化で使いやすさ抜群のオフィス
こちらは、元コンビニエンスストアの建物を改装した事例です。
50坪の敷地に、エントランス、中会議室、大会議室、執務スペース、キッチン、社長室、休憩スペースを配置しました。
エントランスから窓際に沿ってメイン導線を引き、会議室へとつなげることで、セキュリティを確保するとともに、来客が執務スペースを通らずに会議室へ入れるようにしています。
※詳細は下記の記事をご覧ください。
「オーク材ならではの風合いがスタイリッシュなオフィスデザイン事例」
小規模オフィスのレイアウト事例③:60坪に多機能を凝縮!効率と快適さを両立したオフィス
こちらは60坪のスペースに、2部門分の業務スペース、カウンター席、会議室3室、ディレクタールーム2室、ファミレスブース2室、ミーティングスペース2室を配置した事例です。
導線をシンプルに保ちつつ、スッキリとしたフォルムのオフィス家具を採用。さらにデスク前には収納可能なフレームを設け、圧迫感を抑えながら居心地の良い空間を実現しました。
※詳しくは下記の記事をご覧ください。
「レイアウトが肝!スペース効率を追求したオフィスデザイン事例」
まとめ
小規模オフィスのレイアウト設計では、限られたスペースを効率的に活用することが最も重要です。
そのためには、必要なスペースの洗い出しからゾーニング、動線設計、デスク配置までを計画的に行い、業務内容や来客の有無に合わせて最適なパターンを検討する必要があります。
また、レイアウトは一度決めたら終わりではなく、増員や働き方の変化に応じて柔軟に見直すことも大切です。
家具配置の工夫や間仕切りの使い方次第で、快適さと機能性を両立したオフィスづくりが可能になります。
今回ご紹介した事例を参考に、自社の規模やワークスタイルに合ったレイアウトを検討してみてください。
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