【社長インタビュー】オフィスは会社の成長と共に進化させていくもの
今回は“中小企業の想いを情報技術でカタチにする”をミッションに掲げ、自社開発された卸業向け販売・在庫管理システム「楽商」シリーズや各種クラウドソリューション、IT環境サポートなどといったICT事業を、総合的に展開されていらっしゃる株式会社日本システムテクノロジー様へインタビューしました。
6階建ての自社ビルを構える同社は、毎年ワンフロアずつリフォームされていくというユニークな方法をとられています。
今回は、オフィスリフォームを始められたきっかけや内装を考える上で大切にされていること、お気に入りのオフィススポットなどを代表の羽住様にお聞きしました。
- ―オフィスリフォームを始められたきっかけを教えてください。
- ―ワークへ依頼されたきっかけを教えてください。
- ―リフォームする場所の順番や内装についてはどのように決められていますか?
- ―オフィス家具や内装に関するこだわりはありますか?
- ―毎年新しくなっていくオフィスをみて、社員の方から何か感想をもらうことはありますか?
- ―これまでオフィスリフォームされた中で、一番気に入っている場所があれば教えてください。
- ―オフィスリフォームを通して、社内で何か変化したことはありますか?
- ―人材採用への影響はいかがでしょうか?
- ―コロナによって、何か変わったことはありますか?
- ―今後リフォームしたいと考えている場所はありますか?
- 日本システムテクノロジー様のオフィスデザイン事例一覧
―オフィスリフォームを始められたきっかけを教えてください。
弊社は1971年に創業して、今年で52期目の会社になります。
以前は浅草橋にオフィスを構えていたのですが、2000年に自社ビルを購入して江東区森下に移転してきました。
当時は、購入した時のビル内装のまま利用していて、閉鎖的でいわゆる事務所的な雰囲気でした。
オフィスに投資するという発想もなく、その頃は与えられた環境で仕事をすることが当たり前だったので、私もその環境で数年働いていましたが、特に違和感もありませんでした。
ただ、オフィスは1日約8時間という長い時間を過ごす場所なので、身体的にも・心理的にも社員に与える影響は大きいだろうな、と感じていました。
“一人一人の社員がより働きやすい、快適な空間になればいいな…”ということは当初から考えていましたので、会社を引き継いだ2014年からオフィスリフォームを始めました。
―ワークへ依頼されたきっかけを教えてください。
最初にリフォームしたのは、3階の商談フロアです。広いオープンスペースに応接セットやテーブルと椅子が並べてあるという空間で、もったいない使い方をしていたので、打ち合わせや会議がしやすいスペースに整えたいと思いました。
3つのオフィスデザイン会社に見積もりを依頼したのですが、その中の1社がワークさんでした。最終的にワークさんに決めたのは、提案内容や見積もりの内容はさることながら、ご担当者の真摯な対応に惹かれたからです。
その後のオフィスリフォームについても、数年間はコンペをしていたのですが、結局毎回ワークさんに依頼していたので、いつしかワークさんにのみにご相談するようになっていきました。かれこれ8年のお付き合いになりましたね。
ー3階の商談フロアを皮切りに、ポップでカラフルなイノベーションフロアや素敵な休憩スペースつきのシステム部門業務フロア、ABWスタイルの営業部門フロア、壁面グリーンが素敵な管理部門フロア、共有ホール、階段など、毎年オフィスのどこかをリニューアルされていらっしゃいます。
―リフォームする場所の順番や内装についてはどのように決められていますか?
まずは、経営陣で新年度の事業計画や組織体制を話し合い、その決定内容を元に“じゃあ今年はどのフロア・スペースをどのように変えようか?”といった感じで検討していきます。
リフォームする場所と内容が決まったら、ワークさんにご連絡をしてフロアを一緒に見てもらいます。その中でこちらのイメージを伝えたり、ワークさんから新しいご提案をしてもらったりと、両社でディスカッションしながら進めるという感じですね。
―オフィス家具や内装に関するこだわりはありますか?
ワーキングチェアは良いものを選ぶようにしています。
うちは、エンジニア職の社員が半数以上を占めていて、長時間座ったまま業務を続けているので、チェアの品質や機能性は重要です。
デザイン的な面では、これといったこだわりはあまりないですが、フロア毎に目的や役割が違うので、それによって内装を変えています。
オフィス全体の共通テーマも特に決めていませんが、いかにもオフィスっぽい感じにしたくないという思いはありますね。
家やカフェに近いような、リラックスできる空間にしたいというのは、どこをリフォームする時にも考えていて、結果的には木目調の素材やデザインを選ぶことが多くなっていると思います。
訪問した会社のオフィスデザインを参考させてもらうことも結構あります。
ーオフィス家具や内装材などを選ぶ際には、羽住社長自らショールームに足を運ばれて選ばれることもあります。
―毎年新しくなっていくオフィスをみて、社員の方から何か感想をもらうことはありますか?
正直あまりないですね。“今年はここが変わったんですね〜”くらいの反応です。笑
でも、それでいいかなと思っています。
社員同士、心地よいコミュニケーションが取れて、そこから新しいことが生み出されていく、オフィスはそのための場所だと考えていますので、社員が特に大きな関心を持たなくても“そういえば、以前より仕事しやすくなったな…”と少しでも思ってくれていたらそれで満足です。
―これまでオフィスリフォームされた中で、一番気に入っている場所があれば教えてください。
どのフロアもそれぞれ良さがあって気に入っていますが、思い入れが深いのは2021年にリフォームしたエントランスですね。
特に意図したわけではないですが、結果的にエントランスが最後になりました。
一般的にエントランスは会社の顔なので、普通だったら最初に綺麗にしようと考えると思います。
ただそれは、私の中で納得感がありませんでした。
表面的にカッコよく飾った場所ではなく、会社の中身が伴う空間にしたかったんです。
だから会議室や業務スペース、リフレッシュスペースなどを優先したのだと、今になって思います。
会社を受け継いでから8年、“こういう会社でありたい”“こういう組織にしたい”という思いを一つずつカタチにしてきたのですが、その思いは同時に進めたオフィス改革ともリンクしていたと思います。
リニューアルする場所、空間デザインやレイアウト、選ぶオフィス家具にも、会社の目指すべき姿が自然と反映されてきました。
そして、オフィス改革の集大成であるエントランスへ、満を持して今回たどり着いたということが感慨深いですね。
ー同社は2021年に50周年を迎えられ、これまでの社歴を改めて振り返ると共にビジョン・ミッション・バリューを見直されました。
創業50周年を機に、企業ロゴもリニューアルしました。
英語表記の頭文字「JST」の3文字と会社のビジョン・ミッション・バリューを融合させたデザインです。
この企業ロゴをエントランスに掲げられて、ようやく弊社のオフィスリフォームが完成したと感じます。
―オフィスリフォームを通して、社内で何か変化したことはありますか?
とても分かりやすい変化で言うと、社内での服装を自由化したりして、リラックスした和やかな雰囲気で仕事ができるように変えました。
以前は、社内でもスーツ着用が必須だったのですがそのルールを撤廃しました。
カフェのような雰囲気のオフィスで、全員スーツを着ているというのは、やっぱり違和感がありますからね。
TPOや清潔感というのは最低限のマナーとして必要ですが、あとは社員一人ひとりが考えて各自で服装を選ぶようになりました。
あと、これはオフィスリフォームしたからというわけではないかもしれませんが、時差出勤制度を取り入れるようにし、労働時間にも柔軟性を取り入れました。
そういった意味では、オフィスの変化に伴って、自然と働き方の自由度も高まり、個人が働く場所や時間を選択できるようになってきていると思います。
―人材採用への影響はいかがでしょうか?
オフィスリフォームにおいて、採用力の向上というのはあまり意識していませんが、私が担当している最終面接の前にはオフィスをご案内するようにしています。
応募者にとってオフィス空間は、その会社が何を大事にしているかを判断する材料の一つになると思うので、社員が働いている様子や業務内容などをできる限り実際に見てもらっています。
最近はコロナ禍の影響でWEB面接のみの企業も多くなっており、“就活でオフィスを見学したのは初めてです”と言われることも増えました。
“働きやすそうな素敵なオフィスですね”と言ってもらえることもあり、それは嬉しいですね。
―コロナによって、何か変わったことはありますか?
今はテレワークを全社導入していて、社員の出勤頻度は平均週2日ほどです。
オフィスに出勤しているのが常に全社員の3割ほどの人数なので、2022年から利用するスペースを集約するようにしています。
例えば、エンジニア部門は元々2階と3階を使っていたのですが、今は3階フロアを閉鎖して2階フロアに集約しています。
フロアを集約することで、出社している社員同士が偶発的にコミュニケーションを取れるようになればと考えています。
開放している2階フロアは、固定席とフリーアドレス席のスペースを作っていて、出勤頻度の高い社員は固定席を利用し、たまに出勤する社員はフリーアドレス席を利用するという仕組みにしています。
特に新入社員は、上司や先輩に仕事の進め方を聞いたり相談したりする必要があるので、定期的に出勤している人が多いですね。
テレワークの場合でも、WEB会議システムを利用して対話する機会を作るようにしていますし、チャットツールや各種業務管理システムを活用しているので特に不便はありません。
ただ弊社の業務は、営業・SE・CEなどがチームで動くので、チームワークやメンバー同士の意思疎通がとても大事です。テレワークが増えても、必要な時にみんなが集まれるハブスポットとして、オフィスを有効に活用していけたらと考えています。
―今後リフォームしたいと考えている場所はありますか?
先程お話しに出た、閉鎖しているフロアやスペースをどう活用するのか?という点は、今後考えていきたいと思いますし、まだ手を入れていない場所としては4階の屋上もあります。
また、今後は「健康経営」という観点も意識していきたいと考えています。
食生活の重要性から、“オフィスおかん”という置き型社食サービスは以前から導入しているのですが、オフィススペースを社員の健康のために活用するというのも、ぜひ検討したいと思っています。
“1日8時間以上座っている人は、肥満、糖尿病、がん、脳血管疾患などのリスクが急増する”などという記事を目にするとドキッとします。
私はスタンディングデスクを自宅でも使っているのですが、気分を少し変えるという点でも効果があるので、オフィスに取り入れるのも良いかもしれません。
また、軽い運動ができるレクリエーションスペースを作ったり、ストレッチツールなどを置いたりしても面白いかなぁと考えています。その際には是非ワークさんにご相談させて頂きたいと思います。
(編集部より)
今回のインタビューを通して、羽住社長の会社への思い、そして社員の方々への思いを改めて強く感じ、さらなるオフィス進化を、ぜひサポートさせて頂きたいと思いました。この度は貴重なインタビューにお応えいただきありがとうございました!
日本システムテクノロジー様のオフィスデザイン事例一覧
◆会議・商談フロア
・「フロア毎のリフォームで少しづつ作っていくオフィスデザイン事例」
◆イノベーションフロア(フリースペース)
・「スタッフのイノベーションを生み出すオフィスデザイン」
◆営業部門・システム開発部門フロア
・「社員が働きやすい環境を整えたい…そんな思いをカタチにしたオフィスデザイン」
◆営業部門フロア
・「ABW・素材感・造作家具etc…こだわりの詰まったオフィスリフォーム事例(前編)」
◆管理部門・共有フロア
・「ABW・素材感・造作家具etc…こだわりの詰まったオフィスリフォーム事例(後編)」
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